京セラは部品メーカーとして創業しましたが、当初から私たちは下請けの立場ではなく、自主独立の会社でした。
自主独立とは、お客様が望まれるような価値をもった製品を次々と生み出していくということです。ですからその分野においてはお客様より進んだ技術をもつ必要があります。進んだ技術で、納期・品質・価格・新製品開発等のすべてにわたってお客様の満足を得なければなりません。
お客様のニーズに対して、今までの概念をくつがえして、徹底的にチャレンジしていくという姿勢が要求されます。お客様に喜んでいただくことは商いの基本であり、そうでなければ利益を上げ続けることはできません。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P392より)
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お客様第一主義は、市場を意識するという意味では重要ですが、そのために社内環境が悪くなっては元も子もありません。
前回のこの項目で、会津藩の保科正之のことを書きましたが、お客様第一主義を貫くためにはまず、社員のことを大切にする姿勢をみせなくてはなりません。
自分が大切にされているからこそ、相手にも親切にできる。
「衣食足りて礼節を知る」ということです。
そういう環境で仕事が出来る会社は必ず発展します。
先日NHKの「
プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介されていたファンドマネージャーも、投資するかどうかを決めるために、若い社員にヒアリングしていました。
自分たちの会社を誇りに思っている社員が多いほど、その会社は発展すると考えているようです。
私も全く同感で、いい仕事を追求し、多少苦しくても目標を見失わず頑張れるかどうかは、その職場を好きかどうかで決まると感じています。
私の職場も、みんながそこで働くことを誇れるような環境にしたいと常々考えています。