私たちがつくる製品は、「手の切れるような製品」でなくてはなりません。それは、たとえばまっさらなお札のように、見るからに鋭い切れ味や手触りを感じさせるすばらしい製品のことです。
製品にはつくった人の心が表れます。ラフな人がつくったものはラフなものに、繊細な人がつくったものは繊細なものになります。たくさんの製品をつくって、その中から良品を選ぶというような発想では、決してお客様に喜んでいただけるような製品はできません。
完璧な作業工程のもとに、一つの不良も出さないように全員が神経を集中して作業にあたり、ひとつひとつが完璧である製品づくりを目指さなければなりません。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P553より)
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完璧である製品を作り出すためには、その製品のことを誰よりも知っていないとできません。
しかし世の中の製品を作る人達の大半は、自分が作っている製品をある程度知っているにすぎません。
だから、完璧な製品をつくることが出来ません。
その製造に関わることを全て知ろうという覚悟は、製品が複雑であればあるほど並大抵のことでは出来ません。
ただし本気でそれを目指し、そこへ近づいていけば、その製品は磨かれていき、いずれは皆の目にとまることでしょう。
私たちは最終的にそういう製品を作り出すことを目指していかなければならないということです。