問題が発生したときや、仕事に行き詰まったときには、その対象となるものや事象を真剣に、謙虚に観察し続けることです。
たとえば、製造現場では、あらゆる手を尽くしても歩留りが思ったように向上せず、壁にぶちあたることがよくあります。そんなときは、製品や機械、原材料、治工具にいたるまで、工程全体をすみずみまで観察し、素直な眼で現象をじっと見つめなおすことです。不良品や整備の悪い機械があれば、その泣き声が聞こえてくるはずです。製品そのものが、解決のヒントを語りかけてくれるのです。
先入観や偏見をもつことなく、あるがままの姿を謙虚に観察することが大切です。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P563より)
----------
私たちの働き方も、20数年前とは大きく様変わりしました。
当時は一人一台パソコンがデスクにあるなどということは考えられなくて、大抵の事務仕事はすべて紙ベースで処理していました。
連絡は基本的には電話で、しかも外出先ではポケットベルで連絡して、公衆電話で折り返すという感じでした。
今から考えれば不便な時代でしたが、その分色々と段取りを考えていたような気がします。
人は生活が便利で手軽になればなるほど、手間をかけることを惜しむようになります。
その結果、私たちはいろんなところで細部へのこだわりを無くしてしまったのではないでしょうか。