How Google Works 私たちの働き方とマネジメント
エリック・シュミット
ジョナサン・ローゼンバーグ
アラン・イーグル 著
ラリー・ペイジ〔序文〕
土方奈美 訳
日本経済新聞出版社 刊
刺激的な内容で、参考になる箇所がたくさんある本でした。
顧客を喜ばせる事業を志向する企業が発展していくということですよね。
そのためには、そこで働く人達が、顧客を喜ばせることに対して全力で臨む必要があります。
どうすればそうなるのか?
社員がもともと持っている素質も大切だし、入社してからの教育も大切。
また、経営者もそれを常に意識し、社員に伝えていくことも大切。
その大切なことを維持していくための考え方が、色んな形で表現されていて、それがとても刺激的でした。
以下備忘録的に、今回読んで感銘を受けた箇所を羅列しておきます。
●スマート・クリエイティブ
・高度な専門知識を持つ
・分析力に優れている
・競争心も旺盛
・ユーザーのこともよくわかっている
・自発的に行動する
・細かい点まで注意が行き届いている
・コミュニケーションが得意
●文化―自分たちのスローガンを信じる
「ラリーは、気に入らない結果が表示されたウェブページをプリントアウトし、不適切な広告に蛍光マーカーを引いて「この広告はムカつく!」と大書きし、ビリヤード台脇のキッチンの掲示板に貼りだしたのだ。…
何より驚くのは、ジェフら五人は広告担当チームのメンバーですらなかったことだ。…
広告の直接の担当者ではなく、しかも広告が上手く機能しなくても何の責任も問われることのない従業員が集まり、週末をつぶして他人がやるべき仕事に取り組み、収益を生むような解決策をつくりだしたこの一件は、文化の威力を雄弁に物語っている。」
●グーグルの「採用のおきて」
・自分より優秀で博識な人物を採用せよ。学ぶもののない、あるいは手強いと感じない人物は採用してはならない。
・プロダクトと企業文化に付加価値をもたらしそうな人物を採用せよ。両方に貢献が見込めない人物は採用してはならない。
・仕事を成し遂げる人物を採用せよ。問題について考えるだけの人物は採用してはならない。
・熱意があり、自発的で、情熱的な人物を採用せよ。仕事がほしいだけの人物は採用してはならない。
・周囲に刺激を与え、協力できる人物を採用せよ。ひとりで仕事をしたがる人物は採用してはならない。
・チームや会社とともに成長しそうな人物を採用せよ。スキルセットや興味の幅が狭い人物は採用してはならない。
・多才で、ユニークな興味や才能を持っている人物を採用せよ。仕事しか能がない人物は採用してはならない。
・倫理観があり、率直に意思を伝える人物を採用せよ。駆け引きをしたり、他人を操ろうとする人物を採用してはならない。
・最高の候補者を見つけた場合のみ採用せよ。一切の妥協は許されない。
●邪悪になるな
創造的な仕事を協力して行うためには、倫理観を同じくする人達を集めることが大切なんだと思います。
●ラーニング・アニマルを採用する
同じカリキュラムを教えても、それをどう活かしていくかは、それを学ぶ姿勢次第だということ。
●面接のスキルは最も重要
この項目で紹介された
「コインが十二枚あり、一枚だけ重さが違う偽物が混じっている。天秤を三回だけ使って、偽物を見分けるにはどうすればいいか?」
という問題は、昨日小学校6年生の次男に出題したら、紙と鉛筆を持ってきて必死で考えてました(笑)。