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高校生が学んでいるビジネス思考の授業

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高校生が学んでいるビジネス思考の授業

高校生が学んでいるビジネス思考の授業
大森 武 著
阪急コミュニケーションズ 発行
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私が学生時代(今から二十数年前)の日本の学校のカリキュラムに、ロジカルシンキング(論理的思考力)を教える教科って無かった。
いやあったのかもしれないが、意識的に論理的思考力を中心に教えるというカリキュラムは聞いたことがない。
だから今の高校生が「情報科」という名目で授業を受けているのは羨ましい反面、論理的思考力を鍛える必要性がどれほど伝わっているかは疑問が残る。

社会に出ると論理的思考力を要求される場面がたくさんある。
ビジネスにおける競争は特に論理的思考力の勝負そのものという気がする。
しかし、それが大切だということは実は社会に出てもはっきりと指摘されるわけではない。
むしろ論理的思考以外の要素でいろんな物事が進むケースもたくさんある。
そういうケースの場合、論理的思考は却って敬遠される。

日本人は組織間で利害関係が衝突するような場合、論理的思考で回答を導き出すよりも、直接的な衝突とそれに伴う組織の瓦解を防ぐため結論を先延ばしにする癖がある。

例えば、第二次世界大戦中の日本。
2011年に放送されたNHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」の中で、当時の日本の首脳陣の決断についてこのように語られている。

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日本の国策決定の場は、全ての組織の代表者が対等な権限を持つ集団指導体制で、全会一致が建前。常に、曖昧で、玉虫色の決定が繰り返された。
 
各組織のリーダーたちは、戦争に勝ち目がないことを知りつつも、戦争できないと言うことが自らの組織に不利益を与えると考え、言い出すことができない。
 
海軍、企画院、陸軍、首相、それぞれが互いに責任を押しつけ合い、重大案件は先送りとなっていく。しかし、日米交渉が暗礁に乗り上げ、妥結の見通しがみえない中、首脳部は、国力判断、すなわち国家の生産力・戦争遂行能力のデータを総動員して、譲歩か、戦争かの合議を行う。
 
結論は、各組織の自壊を招く「戦争回避」より、3年間の時間を稼ぐことのできる「開戦」の方に運命を賭ける。
 
日本のリーダーたちは、国家の大局的な視野に立つことなく、組織利害の調整に終始し、最後まで勇気をもった決断を下すことはなかったのである。 

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今後論理的思考力をつけた若い世代が、率先して難しい課題に取り組み、試行錯誤しながら改善していくことを願ってやまない。

■Keywords

・ゲーム理論
→相手との相互作用によって結果が変化することを理解するためのツール。「囚人のジレンマ」「シカ狩りゲーム」「チキン(弱虫)ゲーム」などの有名なも

・マインドマップ
→自分の頭のなかに漠然とある考えを「見える化」するツール。最近ではクラウドでマインドマップをさ

・モデル化
→いろいろな現象を取り上げてその条件を設定し、設定された条件のもとでの設定をシミュレーションして確認し、問題解決につなげるツール。

・統計
→グーグルの検索やアマゾンなどで応用されている「ベイズ推定」が面白い。
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