私たちが仕事をしていく上では、その結果が見えてくるというような心理状態にまで達していなければなりません。
最初は夢や願望であったものが、真剣にこうして、ああしてと何度も何度も頭の中でシミュレーションを繰り返していると、ついには夢と現実との境がなくなり、まだやってもいないことまでもが、あたかもやれたかのように感じられ、次第にやれるという自信が生まれてきます。これが「見える」という状態です。
こうした「見える」状態になるまで深く考え抜いていかなければ、前例のない仕事や、創造的な仕事、いくつもの壁が立ちはだかっているような困難な仕事をやり遂げることはできません。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P315より)
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企業は常に成長していかなければ、存続することが難しくなります。
成長するためには、進むべき方向を見定め、そこに至るまでに立ちはだかる「いくつもの壁」を乗り越えていかなければなりません。
人の一生においても、同様のことは言えると思います。
そして、人でも企業でも最も成長を促すものは、「未知の分野に取り組む」ということです。
この項目で稲盛さんが言っている「見えてくるまで考え抜く」というのは、それで成功が保証されるという意味ではないはずです。
そこまで考え抜くことで、困難な状況が立ちふさがった時に誰しもが思う「やっぱり無理ないのではないか」という心の揺れを跳ね返す芯の強さを持ちなさいということでしょう。
「必ず出来る」という強い想いがあってはじめて、困難な状況を打ち破ることが可能になります。
決してひとりよがりではなく、周りの人たちと一緒にこういう強い想いを持てるよう、私自身努力していきたいと思っています。