困難な状況に遭遇しても、決してそこから逃げてはいけません。追い込まれ、もがき苦しんでいる中で、「何としても」という切迫感があると、ふだん見過ごしていた現場にもハッと気づき、解決の糸口がみつけられるものです。
火事場の馬鹿力という言葉があるように、切羽詰まった状況の中で、真摯な態度でものごとにぶつかっていくことによって、人はふだんでは考えられないような力を発揮することができます。
人間はえてして<ruby><rb>易</rb><rp>(</rp><rt>やす</rt><rp>)</rp></ruby>きに流れてしまいがちですが、常にこれ以上後にひけないという精神状態に自らを追い込んでいくことによって、自分でも驚くような成果を生み出すことができるのです。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P145より)
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最近のニュースなどで取り上げられている、「ブラック企業」の問題を見ていると、どうしても引っかかることがあります。
それは「当事者目線は一体どこにあるのか?」ということです。
一般論であれやこれや言うのは簡単です。
でも、それはあくまで一般論であって、実際のケースにすべて当てはまる訳ではありません。
むしろ当てはまらないことのほうが多いのではと思うこともあります。
仕事に関して言えば、「ギリギリ限界まで頑張れ」という指示は、かなり「ブラック」な状況でしょう。
しかしそう言わなければならない状況は、いつも身近に起こります。
その時に、「時間まで頑張ればいいよ」と言うのは簡単です。
しかしそれで「ああそうですか」となって、結局要求されたものが出来なかったら、その責任は一体誰が取るのでしょう?
大切なのは「何をしなければならないのか?」「それをやったら(やらなかったら)どうなるのか?」をやる方もやらせる方もきちんと認識しているということでしょうか。
表面的な問題に引きずられて、本質を忘れてしまっては元も子もないですからね。