京セラは、創業の時から独創性を重んじ、人の模倣ではなく、独自の技術で勝負してきました。他社ができないといったものを喜んで受注し、全員が必死の努力でこれをつくり上げ、結果として独自の技術を次々に確立・蓄積してきたのです。
大河内記念生産特賞や科学技術長官賞を受賞し、京セラが大きく飛躍するきっかけとなったマルチレイヤーパッケージの開発は、まさにこのことを実証しています。
何としてもやり遂げなければという強い使命感をもち、毎日毎日創意工夫を重ねていく、その一歩一歩の積み重ねが、やがてすばらしい創造へとつながっていくのです。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P416より)
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先日たまたま立ち会った打合せの中で、部署の担当者がこんなことを言っているのを聞きました。
「それはやろうと思えば出来ますが、それをやってしまうと毎回それを要求され、手間ばかりかります。出来れば今回はやらない方向で進めさせてもらえませんか」
私はそれを聞いて、この部署は発展しないだろうなぁ、と感じました。
どんな仕事でも問題なくスムーズに進むことなどめったにありません。
その問題を解決して出来るだけスムーズに進められるようにするのが現場の役目です。
それがいつの間にか、時間がかかるイコールコストが嵩むという理由で敬遠されることがあります。
無条件でコストが増加するのは許されませんが、一方でお客様からの要望をコストの問題にしてしまうのは、現場の技術力の向上を放棄しているとも考えられます。
職場のリーダーはそういうことも視野に入れ、一時的に負荷が増えたとしても、長い目で見て現場の技術力を向上させる可能性を追求することも重要です。