組織を運営していく上で最も重要なことは、それぞれの組織の長に本当に力のある人がついているかどうかということです。
本当に力のある人とは、職務遂行の能力とともに、人間として尊敬され、信頼され、みんなのために自分の力を発揮しようとする人です。こうした人が組織の長として場や機会を与えられ、その力を十分に発揮できるような組織風土でなければなりません。こうした実力主義によって組織の運営が行われれば、その組織は強化され、ひいてはみんなのためになっていきます。
京セラでは年功や経歴といったものではなく、その人がもっている真の実力がすべてを測る基準となっているのです。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P397より)
----------
毎年この時期になると、部下の考課を考えるのですが、その度にいつも悩むのが、どのような指標で評価すればいいのかということです。
単純に数字だけで評価できれば簡単ですが、ほとんどの場合は数字に表れない部分も含めての評価になります。
会社に対する貢献の形は、一人一人違うものです。それをどう評価し、本人にどう伝えるかというのが大切だと考えています。
そうして考えていくと、私の理想の評価とは、全員が同じになるということです。
もちろん数字や貢献の割合は毎年違います。
しかし、会社や仕事に対する真剣な姿勢がみんな同じであれば、私はあえて差をつける必要はないと考えています。
全員が同じ評価とはそういう意味です。
バリバリ第一線で活躍している人も、その影で同僚たちに支えられているという意識をもってほしいですし、地味な裏方仕事をしている人達も、自分の役割を卑下することなく、しっかり会社に貢献していることに胸を張って誇りにしてほしい。
そういうことが出来る組織は、どんな逆境をも跳ね返せる理想的な組織で、私が目指すべきところでもあります。