大きな夢を描き、それを実現しようとするとき、「動機善なりや」ということを自らに問わなければなりません。自問自答して、自分の動機の善悪を判断するのです。
善とは、普遍的に良きことであり、普遍的とは誰から見てもそうだということです。自分の利益や都合、格好などというものでなく、自他ともにその動機が受け入れられるものでなければなりません。また、仕事を進めていく上では「私心なかりしか」という問いかけが必要です。自分の心、自己中心的な発想で仕事を進めていないかを点検しなければなりません。
動機が善であり、私心がなければ結果は問う必要はありません。必ず成功するのです。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P365より)
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日本の通信業界は、稲盛和夫さんと孫正義さんという2人の「偉大なる狂人」がいたからこそ、携帯電話が世間一般に普及したと言えます。
それまでは「電電公社」という国営企業が独占していて、今では考えられませんが電話線を引くだけで数万円も払って権利を買っていました(現在でも
電話加入権は72,000円!もします)。しかも通話料も市内は3分10円と決まっていて、消費者には選択の余地はありませんでした。
同様の挑戦をした例として、郵便事業にチャレンジしたヤマト運輸の小倉昌男さんがいます。
いずれの経営者も、事業を始める発端は「日本国民が安価で便利な暮らしを手に入れられる」という私心ではない動機がありました。だからこそみんなが支持し、事業が成功しました。
成功するためには、それがいかに仲間のためになるかを考えてこそ、たくさんの支持が得られ、軌道に乗るということを忘れないようにしなくてはなりません。