人の行いの中で最も美しく尊いものは、人のために何かをしてあげるという行為です。人はふつう、まず自分のことを第一に考えがちですが、実は誰でも人の役に立ち、喜ばれることを最高の幸せとする心をもっています。
かつて、真冬のアメリカで起きた飛行機事故で、一人の男性が自らが助かるというその瞬間に、そばで力尽きそうな女性を先に助けさせ、自分は水の中に消えてしまうという出来事がありました。人間の本性とはそれほど美しいものなのです。
私たちは、仲間のために尽くすという同志としてのつながりをもってみんなのために努力を惜しまなかったからこそ、すばらしい集団を築くことができたのです。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P81より)
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稲盛さんのアメーバ経営が事業部制と違うところは、成果配分を業績と連動させないというところです。
つまり業績が良いからといってその部署が特別にボーナスを多くもらったりしないし、逆に業績が悪いからボーナスなしにもしないということです。
その理由として、仕事をする上で大切なことは仲間のために尽くすことだ、という考え方を共有しています。
企業を継続していくためには、この考え方は重要だと思います。
成果の良し悪しで社員が一喜一憂する環境というのは、決して心地よいものではありません。
そういう組織を作ってしまうと、好調な時はよくても、不調になったときに一気に崩壊してしまうでしょう。
老舗の企業はそこをよく理解して組織づくりをしてきているからこそ、存続できているのだと思います。