京セラでは創業以来、心の通じあえる、信頼できる仲間づくりを目指し、これをベースに仕事をしてきました。したがって社長どうしは、経営者と従業員という縦の関係ではなく、一つの目的に向かって行動を共にし、自らの夢を実現していく同志の関係、つまりパートナーシップという横の関係が基本となっているのです。
一般にありがちな権力や権威に基づく上下関係ではなく、志を同じくした仲間が心を一つにして会社を運営してきたことにより今日の発展があるのです。
これはパートナーとしてお互いを理解しあい、信頼しあえる人間同士の結びつきとなったからこそ可能であったのです。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P399より)
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この項目の解説で、稲盛さんは従業員に株を持たせることの効果と危険性を説明しています。
京セラの場合は、自身が創業者であり、また経営者が世襲ではないという理由で従業員に株を持たせたそうです。しかし、世襲制の二代目、三代目の社長の場合は、その株が悪い人に渡ってしまう危険性があるので、やるべきではないと言っています。
それって、どうなんでしょうね?
創業者はいいが、二代目や三代目は創業者ほどカリスマ性がないだろうから、あまりリスクの大きい方法はとらないほうがいいということなのか、世襲制と従業員が株を持つという経営方針が相容れないということなのか、そのあたりの理由がはっきりしません。
いずれにしても、社長が経営の実状をしっかり把握して、従業員を引っ張っていけるのであれば、別に従業員に株を持たせる必要はない気はします。
「京セラはたまたま創業当時従業員に株を持たせたからそのまま続けているが、みんなはそんなことしなくてもいいと思うよ」
ってことですかね?