バランスのとれた人間とは、何事に対しても常に「なぜ」という疑問をもち、これを論理的に徹底して追求し、解明していく合理的な姿勢と、誰からも親しまれる円満な人間性をあわせもった人のことをいいます。
いくら分析力に優れ合理的な行動を貫くスマートさを備えていても、それだけでは、まわりの人々の協力を得ることはできないでしょうし、逆にみんなからいい人だといわれるだけでは、仕事を確実に進めていくことはできません。
私たちがすばらしい仕事をしていくためには、科学者としての合理性とともに、「この人のためなら」と思わせるような人徳を兼ね備えていなければなりません。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P174より)
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何事においても、バランスというのは本当に大事だと思います。
どこか一方に偏った考え方や行動は、結局自分自身の選択の幅を狭くしてしまう気がします。
ただ、偏った考え方をする人からするとそれは、「矛盾した考え方」というふうに見られることもあります。
昨日の夜、たまたまレンタルDVDで「
永遠の0」という作品を見ていました。
そこで、戦争時代を回顧している老人がこんなセリフを言っていました。
「あの当時は、(戦場から)生きて帰りたいという考え方は、思っていても口に出して言うことはできなかった」
そういうことって、案外今でもあるように思いますが、その時代に生きている人には見えにくいものなのでしょう。
いつでも前提を疑って考えてみる。
そういう習慣を身につけられたら、どんな状況でも乗り越える術を見いだせる。
それが、バランスのとれた人間性なのだと思います。