私たちはともすると、ものごとを複雑に考えてしまう傾向があります。しかし、ものごとの本質をとらえるためには、実は複雑な現象をシンプルにとらえなおすことが必要なのです。事象は単純にすればするほど本来の姿、すなわち真理に近づいていきます。
たとえば、一見複雑に思える経営というのも、つきつめてみれば〔売上を極大に、経費を極小に〕という単純な原則に尽きるのです。京セラの〔時間当り採算制度〕も、この単純化してものごとをとらえるという考え方をベースにしています。
いかにして複雑なものをシンプルにとらえなおすかという考え方や発想が大切なのです。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P599より)
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いよいよ京セラフィロソフィも最後の項目になりました。
最後のこの言葉は、本当に色んな場面で当てはまる言葉だと思います。
ものごとが複雑になってしまう原因を考えると、大抵はそのものごとの本質とは関係のないことから発生しています。
そしてまたその大半は人間関係に由来しています。
理不尽なことは大抵が、人間関係のもつれだということかもしれません。
だからこそ、京セラフィロソフィでは人間を磨き、人間力を高めることで、複雑さの原因となる人間関係のもつれを極力排除できる環境をつくりなさいと教えているのだと思います。