ものづくりの原点は製造現場にあります。営業の原点はお客様との接点にあります。
何か問題が発生したとき、まず何よりもその現場に立ち戻ることが必要です。現場を離れて机上でいくら理論や理屈をこね回してみても、決して問題解決にはなりません。
よく「現場は宝の山である」と言われますが、現場には問題を解くためのカギとなる生の情報が隠されています。絶えず現場に足を運ぶことによって、問題解決の糸口はもとより、生産性や品質の向上、新規受注などにつながる思わぬヒントを見つけ出すことができるのです。これは、製造や営業に限らず、すべての部門に当てはまることです。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P543より)
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私は大学を卒業してから今まで、ずっと現場で仕事をしてきました。
黙々と何かを作っていく作業自体が嫌いではないので、現場での経験は苦しいこともありますが、仕事としては楽しい環境で過ごしてきました。
やがて歳をとるに従って、現場での仕事から徐々に離れるようになりました。
そうすると、これまで現場で起こった問題を解決していく適切な道筋が、どんな場面でも同じように通用することがわかってきました。
その道筋というのは、
「常に真正面から問題に向き合うこと」
「可能性があることは一通り試してみること」
「現在の状況や方法がすべてだとは考えないこと」
などです。
とにかく逃げずにとことん追いかけていくと、土壇場で思わぬ展開から解決策が見えてくることはよくあります。
それは、現場に直接携わっていなければなかなか経験できないことです。