物品や原材料を購入する場合、大量に買えば単価が下がるからといって、安易に必要以上のものを買うべきではありません。
余分に買うことは無駄遣いのもとになります。たとえ一時的に大量に安く購入できたとしても、これによって在庫を保管するための倉庫が必要となったり、在庫金利が発生したりといった余分な経費がかかってきますし、さらには製品の仕様変更などの理由で、まったく使えなくなってしまう危険性があります。
やはりメーカーはメーカーに徹し、ものづくりそのもので利益を上げるということに専念すべきです。必要な時に必要なだけ購入するという考え方が大切です。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P541より)
----------
物事には何にでも、メリットとデメリットがあります。
ここで紹介されている「当座買い」も、当然メリットとデメリットがあります。
それらを理解した上で、経営者が「当座買い」を選択し、その目的を社員に浸透させてはじめて、その効果が発揮されます。
経営者の意志や指導力が弱く、社員にその目的が浸透しなければ、結果はついてきません。
経営がうまくいっているかどうかの差は、画期的な経営手法があるわけではなく、経営者の意図を社員がきちんと理解して仕事に取り組んでいるかどうかの差だということが、この項目からわかります。