仕事をしていく上では、公私のけじめをはっきりつけなければなりません。
プライベートなことを勤務時間中に持ち込んだり、仕事上の立場を利用して取引先の接待を受けたりすることは厳につつしまなければなりません。勤務時間内の私用電話の受発信を禁止したり、仕事を通じてのいただきものを個人のものとせず、みんなで分けあっているのもそのためです。これは、ささいな公私混同でもモラルの低下を引き起こし、ついには会社全体を毒することになってしまうからです。
私たちは、公私のけじめをきちんとつけ、日常のちょっとした心の緩みに対しても、自らを厳しく律していかなければなりません。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P230より)
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けじめを大切にするというのを、社員に浸透させるのは簡単なことのようですが、実際には難しいことです。
けじめだけではなく、例えば挨拶をするという単純なことでさえ、案外徹底できていないものです。
どうしてそれらが定着させられないのか、色々と意見を聞いてみると、もっともらしい理由が返ってきます。
私はここがポイントなのではないかと思っています。
どうして簡単なことが出来ないのかは、実行する側にもできない理由があるのだから、その理由をきちんと受け止めて、どうすればできない理由が回避できるかを一緒に考える必要があるのだと思います。
禁止事項を決めるだけでは、たとえもっともな理由があったとしても、実際には上手く機能しないということです。