京セラでは、創業以来、心の通じあえる社員同士の結びつきを経営の基盤においてきました。お互いが感謝と誠意をもって心を通わせ、信頼関係の上にたって仕事を進めてきたのです。コンパやさまざまな行事は、全員が心をひらき、結びつきを強める機会として重要視されてきました。
上司と部下の関係であっても、信頼関係のベースがあれば、お互い本音で言いたいことをはっきり言いあうことができます。それによって、問題点が誰の目にも明らかとなって仕事がスムーズに運んでいくのです。
こうした信頼関係を築くためには、日頃からみんなの心の結びつきをつくり上げるよう、お互いに努力することが必要です。
(『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P86より)
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ネットのニュースなどで紹介されているように、懇親会などに強制参加というと「強制なら業務扱いになるんですよね」と言われるのが今どきの感覚でしょう。
日本人は信頼関係を築くことに関してはすごく重要視しますが、一方でそれを壊すことを恐れるあまりに、理不尽な要求であっても反論せずに受け入れてしまうという特性もあるようです。
仕事がスムーズに進むということと、信頼関係とは、本来なら関連性などないはずですが、今の日本では信頼関係がない人や会社間では、実際仕事がスムーズに進まないことは多々あります。
ただそれは、日本人独特の「相手の考えていることの先を読んで行動する」という習慣があたりまえだという前提の上に成り立っているため、本来なら仕事がスムーズに進まない方があたりまえだという考え方もできます。
その先の仕事の進め方を、日本人は信頼関係で補い、欧米では契約書で補っているということでしょう。
どちらが良いか悪いかは一概には判断できませんが、BtoBにおいてはいずれ日本の習慣が通用しなくなるように思えます。
BtoCは日本の習慣が重宝されそうですけど。