何かを決めようとするときに、少しでも私心が入れば判断はくもり、その結果は間違った方向へいってしまいます。
人はとかく、自分の利益となる方に偏った考え方をしてしまいがちです。みんなが互いに相手への思いやりを忘れ、「私」というものを真っ先に出していくと、周囲の協力も得られず、仕事がスムーズに進んでいきません。また、そうした考え方は集団のモラルを低下させ、活動能力を鈍らせることにもなります。
私たちは日常の仕事にあたって、自分さえよければという利己心を抑え、人間として正しいか、私心をさしはさんでいないかと、常に自問自答しながらものごとを判断していかなければなりません。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P171より)
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私心を排して判断するためには、例えば人の意見に耳を傾けるという方法は有効だと思います。
自分の考えだけで判断するのではなく、違った立場の人の意見を聞いてみると、参考になることはたくさんあるように思えます。
そのためには、普段から自分自身が人の意見を尊重できる謙虚さを心がけていなければ、人の意見も耳に入ってこないでしょう。
特に困難な問題で悩んでいる時ほど、自分が捉えているその「困難さ」は、他人からみれば「私心にとらわれている」と見えるような気がします。
先日TV番組で千原ジュニアが、特急列車に仲間と乗って騒いでいたら、キャラクターの濃い人が現れて盛り上がっていたのに、先輩芸人がその人を追い返したのを見て「芸人にあるまじき行為だ!」と言っていました。
「芸人だったら平穏なルートと、何か起こりそうなルートがあったら平穏なルートは見ないふりをしてアクシデントを楽しむ」というような発言をしていました。
どんな人でも人生にはアクシデントはつきものです。
それをどう乗り越えるかで、その人のものごとへの対応力が問われます。
もちろん芸人さんはそれを後に「ネタ」とすることで仕事に結びつけるのが目的でしょう。
ただ一般人でも対応力をつけることは、人間の幅を広げるのには役立つはずです。
アクシデントを恐れずに、予定外のことを楽しむ感覚は持ち続けていたいと思っています。