目標を達成するためには、その目標が全員に周知徹底されていなければなりません。つまり全員が目標を共有化し、自分たちのものになっていることが必要なのです。
営業部門でも製造部門でも、当月の〔売上〕や〔総生産〕、〔差引売上〕・〔時間当り〕などの数字が全員の頭にしっかりと入っていて、職場の誰に聞いても即座にその数字が口をついて出てこなければいけません。
京セラの〔アメーバ経営〕と〔時間当り採算制度〕では、目標を全員に周知徹底し、共有化を図ることによって一人一人の参画意識が高められ、これが一丸となって目標達成に向かうエネルギーとなるのです。
(
『京セラフィロソフィ』サンマーク出版 P522より)
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今図書館から借りてきた
「パナソニック人事抗争史」という本を読んでいます。
日本を代表する大手家電メーカーの凋落の原因が、人事抗争に翻弄された経営者達によって改革の方針に一貫性がなくなり、結果として組織を弱体化させていったという、なんともお粗末な理由にやり切れなさを感じました。
日本の組織を考える時、必ず第二次大戦中の日本の軍指導者のことが頭をよぎります。
パナソニックにおいても、松下幸之助とその後の歴代社長および幹部が、天皇とその周辺で主導権をめぐり抗争を繰り返す軍指導者達という構図とダブって見えてしまいます。
本来果たすべき目的・目標のためには、恩情やしがらみを捨てて切るべきところは切り、協力できるところは割りきって手を結ぶということがどうして出来ないのでしょうか。
そういうことが出来るようになるために、稲盛さんは「京セラフィロソフィ」で人材教育を行い、「アメーバ経営」と「時間当り採算制度」でブレない組織構造を確立しようとしたのでしょう。